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蒲菖亭(あべの古書店主人)
蒲菖亭(あべの古書店主人)

2017年11月03日

『ブレードランナー』

ダメなはずがないと確信し、期待しかなかった『ブレードランナー2049』だったが、ダメだった。
みたことのない映像を目にし、体感したことのない音響空間が知覚をうちのめしても、ダメなものはダメ。
この映画は「ブレードランナー」としてダメだ。

1982年の『ブレードランナー』は、人間とアンドロイドの決定的な違いを曖昧にしていた。
ディックの原作ではアンドロイドは「だからお前たち人間は弱いのだ」と言った。
人間は愛するものを破壊できない。しかも人間以外の存在を、時には無機物まで愛したりする。
人間が殺さなかった一匹の小さな蜘蛛を、アンドロイドはあっさりと踏みつぶす。
フォークト=カンプフ検査を実施せずとも、人間とアンドロイドは判別できるのだった。
だから彼は、彼女がアンドロイドであっても愛したのだった。

その先には何があるのか。
人間はVRを愛するようになるだろうか。
人工知能を愛するようになるだろうか。
人間はどこまで弱くなれるだろうか。

『ブレードランナー2049』が象徴したのはアメリカであり、強さであり、支配する者であり、広がり続ける帝国である。
そこに弱き者たちの場所はない。
監督は日本のアニメが何を問い続け何を仮の答えとしているのか、どうも判っていないようだ。

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Posted by 蒲菖亭(あべの古書店主人) at 23:59 │日録
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『ブレードランナー』