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蒲菖亭(あべの古書店主人)
蒲菖亭(あべの古書店主人)

2020年12月29日

レムチャバン

2020年12月29日。
ポケットには角大師の御札が入っている。昔ながらの版木で刷った御札ではなく、メタリックなカードの御札。角大師はおみくじの発案者である。
タイの田舎町の寺院。数日後に寺を会場に行われる音楽フェスの打ち合わせに歌姫が来ていた。彼女のちょっとした勘違いから、自分はタイの「おみくじ」をひくことになった。
細い竹の棒が束になって入っている円形の筒を両手で持ってガチャガチャ振っていると、そのうちに一本の棒がするすると出てくる。棒には数字が書かれていて、別に置いてあるおみくじ棚から、その数字の紙をひくのである。日本の寺社のおみくじとまったく同じだ。
彼女が手本をみせてくれた。自分はそれにならったが、うまくゆかない。竹棒が筒の外に上がってこないのである。彼女に手を添えてもらうと、一本がのびてきた。しかしそれは自分のフォーチュンではない。「俺と彼女」の運勢なのである。
もう一度、自分一人で筒を振る。やはり筮竹は出てこない。しばらくすると突然、一本が飛び出した。筒からひゅうと飛び出して床に転がったのである。
これでいいのか、と自分は歌姫にきいた。
わたしもこんなことは初めてみる、と笑いながら彼女は筮竹に書かれた数字のおみくじを持ってきた。
これも初めてみるフォーチュンだわ、最高の運勢、コンジープンあなた無敵だわ、一緒に記念写真を録りましょう、とタイの歌姫は言った。

三月、自分は角大師の御札を京都のアニーズカフェに置き忘れてきてしまった。十二月の言触ライブの折、ようやく角大師は手元に戻った。

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Posted by 蒲菖亭(あべの古書店主人) at 23:59│Comments(0)日録
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