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蒲菖亭(あべの古書店主人)
蒲菖亭(あべの古書店主人)

2020年01月04日

2020年

日が暮れる頃には世界が終わる、どうやら最終戦争が始まってしまったようなのだ。
そんな朝でもいつも通り顔を洗って歯を磨き、トーストと紅茶の朝食をすませて学校へ行く。
給食は残さず食べて、掃除当番はさぼらない。
帰り道は小石を蹴飛ばしたり水路の石積みに隠れるザリガニを探したり、いつも通りのコース。
玄関のドアを開ける前に「ただいま」と言って、脱いだ靴は揃えるのを忘れない。
今日一日何があったか家族と話をする。いつも通り、特別な事件は何もなかった。

ひどいことになってしまった。
だから「おめでとう」は言わない。
でも「おめでとう」と無邪気に挨拶することを非難する気はない。
「おめでとう」と言える生活があるのなら、それはとても幸せな境遇だし、あえて残酷な未来を意識しろと警告するのも違う気がする。

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Posted by 蒲菖亭(あべの古書店主人) at 23:59 │日録
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