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蒲菖亭(あべの古書店主人)
蒲菖亭(あべの古書店主人)

2020年08月11日

どぶの中

坂本竜馬の「どぶの中云々」に言及していたのは江川紹子さんだった。
江川さんは、麻原が信者たちへの説法で好んで「どぶの中云々」の逸話を語るため、竜馬がいつこのような事を言ったのか興味を持って調べたのである。


「どぶの中云々」の出典は判らなかった。
唯一見つかった事例は梶原一騎原作の人気マンガ『巨人の星』の中でこの逸話が紹介されていたことだった。
もしかしたら麻原の「どぶの中云々」のソースは『巨人星』だったのではないか。


教団が暴走しはじめた頃、とあるインテリがブッダの逸話を持ち出して麻原を諫めた。
餓えに苦しむブッダの前に一羽の兎があらわれる。
兎は自分を食べてくれとブッダに申し出、焚火に身を投じる。このような自己犠牲こそブッダの精神ではないか、と。


仏典にはそんな逸話は書いてありませんよ、と麻原は反論した。
あなたはその話をどこで読んだのですか、手塚治虫の『ブッダ』で知ったのではないですか、と麻原は問うた。
たぶん麻原の言うとおりだったのだろう。
自分は「つまり麻原も『ブッダ』を読んでいたのか」と妙なところで感心した。


原典を読まずに手塚マンガで得たブッダの知識で攻撃してきたインテリを一蹴した麻原は痛快だった。
だがその麻原にしても、梶原一騎のフェイクにはまんまと騙されいてたのである。
もちろん俺も。
そして世間の有害老人の大半が、司馬遼太郎のフェイクから抜けられないのだと思うのである。

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Posted by 蒲菖亭(あべの古書店主人) at 23:59 │日録
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